ほろにが抹茶クッキー

Series 著作権のあるレシピ

【材料】

  • 薄力粉:50g
  • 抹茶パウダー:自分を信じて「多分これくらいだろう」と思う量を
  • バター(マーガリンでもいいと思う。知らんけど):50g
  • 砂糖:50g
  • 卵黄:1つ

【作り方】

  1. 薄力粉と抹茶パウダーを粉の状態で混ぜておく。大きめのボウルを使用すると後の工程が簡単だが、持っていない場合は大きくて深い皿で代用する。厚底のフライパンや鍋などに頼ってもいい。家にあるボウルの大きさは家主の孤独さに反比例する。もしも君がボウルや大きい皿を持っていないのであれば、孤独を孤独と感じない術を身につけなければならない。
  2. バターを電子レンジで溶かす。
  3. 溶かしたバターに砂糖と卵黄を混ぜる
  4. 3.(=溶かしたバターに砂糖と卵黄を混ぜたやつ)を1.(=薄力粉と抹茶パウダーが入ったボウル)に入れて混ぜる。
  5. 生地を麺棒で伸ばして平らにし、型でくり抜くと言いたいところだが、あいにく麺棒もクッキーの型も持っていないので、手で無理矢理それっぽい形に整える。不格好な形に焼き上がるのは目に見えている。でも、いいじゃないか。見てくれに惑わされるのはもう辞めよう。美しくなければならないという呪縛から解き放たれよう。
  6. 180°に熱したオーブンで20分焼く……と言いたいところだが、あいにくオーブンも持っていない。大丈夫、トースターでだって何とかなるはずだ。温度をコントロールできないから、中まで火が通る頃には表面は黒焦げになっているかもしれない。だが、クッキーを焼くために数万円もするオーブンを買えというのか? 馬鹿馬鹿しい。私はただ、自らの生活を自らの手で作り上げたいだけだ。それなのになぜ、資本家の策謀に巻き込まれ、家をモノで埋め尽くさなければならないのだ? われわれは断固として反抗する! 質素で満たされた生活を自らの手に取り戻す! そうさ、焼け焦げたクッキーをブルジョアどもの横っ面に投げつけてやるのだ!
  7. 20分間放置すると丸焦げになりかねないので、途中で様子を見る。焦げかかっていたらトースターを止める。
  8. 焦げたクッキーとのほろ苦さと、不条理な人生のほろ苦さを噛みしめる。